一定期間更新がないため広告を表示しています

Blog Action Day:貧困についての記事募集!
自分のブログをチェックしていると、上の様なメッセージが出てきて、貧困についての記事を募集しているという。ただ単にサービスを提供するだけでなく、この様な動きを通じて実際に多くの人がテーマについて考える機会になるというのは素晴らしいと思う。ネット社会にこういった動きが目立ってくるのはとても良いことですね。

異文化理解とコミュニケーションのあり方

 経済的先進国である日本に住んでいる現代人にはなかなか貧困という言葉にイメージがわかない。僕も大学で久保田真弓教授にそれについて教えていただくまでは漠然としたイメージしかできていなかった。
 僕は関西大学の総合情報学部に入学し、ICTについて学ぶ。ICTとはIT(情報技術)にコミュニケーションのCが加わった情報通信技術のこと。三年生の時、自分の希望する教授のゼミに入って専門的な学習を始める。そこで僕は「異文化理解とコミュニケーションのあり方」というテーマの久保田真弓教授のゼミを希望した。このゼミではテーマからわかるようにICTのCの部分に重きを置いて学習する。
 久保田真弓教授は、日本の大学を卒業されてから青年海外協力隊員としてガーナで活動をされ、その後アメリカのインディアナ大学院を卒業される。教授は女性で、特別身体が丈夫そうというわけではないし、いつもニコニコされていてとても優しいので、上に記した以外にも沢山の素晴らしい経験をされておられることを知った時は驚いた。そして教授はその自分の経験を生かした研究や活動をし、たくさんの学生に大きな影響を与えておられる本当に尊敬すべき我らが師匠である。
 ゼミで学んできたことは沢山あり、今後改めて紹介させていただきたいことが山ほどある。その中の一つが「貧困問題」である。今まで学んできた貧困問題と、バングラデシュで見てきた貧困問題とを合わせて触れることにする。

貧困のサイクル

「貧困」と言えばどんなことがイメージできるだろうか。貧困のメカニズムを考えたことがあるだろうか。どうすれば貧困が解決できるのか考えたことがあるだろうか。
 世界には貧困の大きな問題がまだまだ沢山あること事態はみんなが知っていると思う。しかし、貧困を解決する具体策を考えるのはなかなか難しい。
 以下に貧困のメカニズムについて簡単に、シンプルにまとめる。
お金がない。だから十分な食事が得られない。そして健康状態が悪くなる。自動的に仕事ができなくなる。だからお金がない。
お金がない。だから子供を学校に行かせられない。子供は知識や技術を得られない。つまり仕事がない。だからお金がない。

 とても簡単な貧困のサイクルがイメージできただろうか。ではこのサイクルをどこで断ち切れば貧困は無くなるだろうか。十分な食事の援助さえすれば解決できるだろうか。仕事を与えれば解決できるだろうか。それとも教育を受けさせる機会を与えれば解決できるだろうか…
 想像すればわかるように、貧困とはそんなに簡単なものではない。上に示した貧困のサイクルはただのサイクルではなく様々な点で影響しあっているし、さらにもっと沢山の要因がある。
 例えば政治の問題。バングラデシュでは現時点で政府はほとんど機能していない。政治が機能していないために社会構造がきちんとできていないため、安定した収入や暮らしができない状態にある。今は普通の暮らしができていても、一度洪水やサイクロンによる被害を受けて家や家畜に被害が出るとたちまち最貧困層に陥って抜け出せなくなってしまう。
 さらに政治が機能していないことで、教育にも問題が起こる。バングラデシュの教育は詰込み型学習中心である。学習とは知識を得てそれを理解し、さらに応用して分析し〜といった様に次元を高めていくことが求められるがバングラデシュでは教科書の内容を何度も何度も読ませるだけの授業が多い。これではせっかく学校に行くチャンスがある子供たちの学力は向上しない。勉強がわからない子供は学校が楽しくなくなるので学校に行かなくなってしまう。
 もう一つの要因例は宗教。バングラデシュでは女性の立場が男性よりもとても低い。これはイスラム教の教えによるものであるが、女性は家から出ることも善しとされず、一生を小さな村の中で生きる人も少なくない。その様なわけで女性は男性よりも仕事が得にくい。だからお金が手に入らない。お金の流通にかかわれないために小さなビジネスを始めることすらかなわない人が出てくる。

開発の魔の手

 貧困を解決するには様々な面からの支援が必要なことはお分かりいただけたかと思う。このように人々を貧困から救い出すことはとても複雑で難しいことである。
 それでは実際にどういった国際協力が必要だろうか。
 現在、経済的に先進国である日本はODAという形で海外に対して様々な支援やお金を送っている。そのために沢山の税金を支払っている全ての日本人は本当に素晴らしい。
 しかし、その様なODAにも少し問題があることを知るためのアンテナを張らなければいけない。今の日本は世界の様々な国々に沢山のお金を送りまくっている。青年海外協力隊員も沢山送っているし、様々な支援もしている。それはとても素晴らしいことに変わりはないが、もっと方法をしっかり考えても良いのではないか、と思うところがいくつかある。
 例えば、フィリピンに沢山のお金を送ることを条件に、フィリピン政府に日本の企業をフィリピンに送ることを認めさせた。それによりフィリピンに住む人々は日本の企業のせいでむしろ生活が苦しくなり、日本を恨む人まで出てきた、という事例がある。
 バングラデシュには日本以外にも沢山の国々からの援助、支援がある。その中にある問題点もいくつか紹介しよう。
 洪水に悩まされるバングラデシュ。人々の安全を守るために洪水の水を入れないために大きな長い壁を作った。お陰で洪水の水は来なくなった。しかしそのせいでそれまで洪水によりもたらされた十分な水や、土の養分が運ばれなくなり、漁業も農業もできなくなり、土地はひからびて生活できない土地になってしまったという事例。
 綺麗な生活用水、飲み水を確保するためにバングラデシュに井戸をあちこちに掘りまくった。お陰で人々は水に困らなくなった。しかしヒマラヤから流れる水に少しずつ含まれるヒ素が長年のうちにたまり、それが井戸水に沢山含まれていることはわからなかったため、その水を何年も飲み続けることでヒ素中毒になってしまうという事例。
 サイクロン被害にあい、最初のうちは家も何もかもが無くなった人々は食べるものが無くなってしまい、飢えに苦しむ。やがて少し遅れて様々な国からの物資が一斉に送り込まれ、飢えは無くなる。だが現地の状況を把握していないためにそれでもどんどん物資が送り込まれる。まじめに仕事をしていた人々は、仕事を頑張るよりも物資がもらえる場所に行ったほうが裕福な暮らしができるためにそっちを選んでしまうという事例、など様々である。
 フィリピンの事例もバングラデシュの事例もそうだが、国際協力開発や支援、援助の方法を一歩間違ってしまうと逆恨みされたり、人々を不幸にしてしまうことがある。
 様々な国々にODAの援助金をホイホイ投げ込んでしまい、挙句の果てに変てこな条件を押しつけたりするよりは、極端に言えばもっと少ない国に集中してでも良いから効果と力のある援助をしていき、日本のODAはとても力がある!すごい!と世界に認められるような支援をしてくれたほうが意義がある。そして政府だけでなく、日本国民一人一人が国際協力開発について学ばなければいけない時期にあると思う。

第二次世界恐慌と言われる今、10年後の日本がどんな立場に立つのであろうか誰かはっきり言い切れるでしょうか。 

ダッカのゴミ山にて
ダッカのゴミ処理場で働く子供
コメント
わかりやすくて素敵なサイトですねっ!!

参考にさせていただきますっ!
  • by ななみ
  • 2010/07/12 5:49 PM
>tomyさん
はじめまして、大変嬉しいコメントどうもありがとうございます。
バングラデシュは貧困を抱える国の中でも比較的日本人が住みやすい国だと思います。世界の国々には色んな文化や思わぬ危険もあるので、くれぐれもお気をつけて行って来て下さいね!
応援しています!
はじめまして!

僕は、来月から貧困をみる旅に出かけようよ思っています!
その前に、このサイトを知ることができて本当によかったです!

活動もサイトも応援しています!!
  • by tomy
  • 2010/05/25 7:03 PM
はじめまして☆
素敵なサイトですね^^応援してますよ♪
  • by 結婚
  • 2010/05/16 4:26 PM
>ぶんれいさん
わぁーぶんれいさん!!
びっくりしましたよw
今ちょうど南京航空航天大学の一班の皆と交流していたところだったんです。
中国からコメント、どうもありがとう!
ぶんれいさんODAに興味があるんですね〜すごい!色々調べてみて面白いことがわかったらぜひおしえてくださいね☆
びっくりしました!水谷君は国際協力にすごく情熱を持っているんですね!とても感心しました!
実は私はODAに興味があって、最近よくネットで日本の対中援助政策について情報を集めているんです。バングラデシュも発展途上国ですから、日記を見てもらって、参考になれると思います。ありがとう!
  • by 劉 ぶん玲
  • 2008/12/22 11:44 PM
コメントする
トラックバック
FAOの2004−2006年のデータで、世界で4番目に栄養不足人口が多い国は、バングラデシュです。約4000万人が栄養不足の状態にあります。今回は、バングラデシュについての基本的情報を調べてみました。
  • Navy Blue Weekly Update
  • 2010/02/20 5:27 PM
この記事のトラックバックURL